海の文化と村の文化⑨ 於保哲外先生(ドクター部)指導

この辺で、もう一回、聞いてみたいんですが、この中で自分のことを100点と思う方?

 (爆笑)素直な方が多いですね。
私たちは、朝晩勤行します。二座の御観念文は本尊供養です。
「一閻浮提総与三大秘法の大御本尊に南無し奉り報恩感謝申し上げます」。
この二座の本尊供養のときに、この本尊を自分のことと思ってやっていますか?
みなさん「仏壇の中の御本尊」だと思っていませんか?そういう人を指して大聖人は
「若し己心の外に法ありと思はば全く妙法にあらず」(御書P384)とおっしゃられている。
すなわち、法華経じゃないんです。
また別の御書でも、「此の御本尊全く余所に求る事なかれ只我れ等衆生の
法華経を持ちて南無妙法蓮華経と唱うる胸中の肉団におはしますなり」(御書P1244)。
此の御本尊は「胸中の肉団に」、自分の生命に、「おはしますなり」と勉強したはず
ですが、実際勤行をする時は自分の生命の外に置いていますね。不思議なんです。
学んだこととやっていることが違うんです。

どうしてか?実は、日本文化に、さっきの「村の文化」に毒されているからなんです。
「村の文化」というのは、実は、「念仏文化」なんです。「念仏文化」というのは、
自身の外に絶対の対象を起きます。したがって、御本尊絶対なんです。
大聖人絶対なんです。そこで福運のない、境涯の低い、力のない私たちは、
偉大な御本尊様におすがりし、その功徳を、その智慧を分けていただこうと。
これを「念仏文化」というんですね。御本尊を阿弥陀仏に置き換えたらぴったり
するでしょ。「情けない私たちは阿弥陀仏の慈悲におすがりしましょう」という構造です。

法華経は違うんです。そのことを池田先生は「法華経の智慧」で四年半に
わたって展開してくださったんです。この「法華経の智慧」の中で、
一番、明快にそのことをおっしゃっているのは、見宝塔品の講義のところですね。

「見」=見る。「宝塔」=宝の塔。宝の塔を見る。この宝塔というのは法華経の中で
出現するわけですが、この宝の塔は高さ五百由旬、一説によるとヒマラヤの5
00倍以上の高さなんです。富士山の1000倍以上ですからね。壮大です。しかもそれは、瓦礫の山ではない。宝の塔です。非常に荘厳である。また、壮大である。宇宙規模である。
この偉大な宝の塔は、実は我々の生命の偉大さを表している。
すなわち、我々の生命が宇宙規模の、壮大な、また、荘厳な、そして、
永遠性をはらんだ存在なんだと実感すること、それを見宝塔と言うんですね。
大聖人はこの宝塔品の儀式を借りて御本尊を顕された。したがって御本尊は、
我が身を偉大な宝塔と見るための明鏡、明らかな鏡であると明快におっしゃっています。

ところが、我々はそれを勉強しているのに、現実は鏡の方を崇め奉って、
鏡に映る自分は情けないと見るんですね。いかに深く念仏に毒されているかです。
だから、この不思議法則の、「自分さえ我慢していれば」という方向に行ってしまうん
ですね。喜べないんです。楽しめないんです。いい時には喜べるけれども、
落ち込んだら、とたんに「情けない」って言い出す。

法華経というのは,「最悪の自分が偉大だ」と説く経典です。
この法華経と爾前経の差。これを権実相対といいますね。どうして、
法華経が優れ、爾前経が劣っているか。教学的には、二乗成仏、悪人成仏、
女人成仏が説かれるからですね。すなわち悪人とか女性とか二乗(声聞、縁覚)、
この人たちは、大乗経典の説かれた時代、世間から相手にされない存在だったん
ですね。したがって、大乗経典はその人たちを救わなかった。
ところが,法華経は世間が相手にしない差別された人たちを,
実は偉大な存在であると説いたんですね。非常に革命的な思想でした。
本当の意味での人間主義でしょう
さらに、もう一歩突っ込んで、権実相対を生命論的に捉えてみると、
二乗、悪人、女人というのは、実は、自分自身の一番落ち込んだ自分なんです。
一番情けない自分なんですね。人と比べても劣っていると思わざるを得ない、
その惨めな境遇の自分こそ、実は偉大な妙法の当体なんだと信じること。
これが法華経を持(たも)つという意味なんですね。

だから、難信難解なんです。元気な自分や、絶好調の自分や、また、
人からもてはやされている自分を偉大だと見ることは、まあできる。
だけど、困難に立ち往生した自分、大失敗して、また、人からもバカにされて、
落ち込んでいる惨めな自分を偉大と見ることは、難信難解(信じ難く、理解し難いこと)
でしょう。しかし、そこに立ってこそ法華経なんです。
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by hakodate0711 | 2013-06-26 21:15 | 於保先生(ドクター部)指導


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